英語朗読ワークショップ 近況報告
- 2020/09/14
- 13:41
【英語朗読ワークショップ 近況報告】
英語朗読ワークショップ、オンラインになってから早30回近く開催しており、
何名かの方は月1ペースで参加して頂いています。
朗読は(全ての芸事や習い事に共通するとは思いますが)1回、2回ではうまくなりません。
やはり、繰り返し練習して、自分なりに考えて、工夫して、フィードバックをもらうということが大切なんだと思います。
先日、ワークショップ1回、個人レッスン2回すでに受けた方が
再度ワークショップ(午前の部)に参加して下さり、
今回新しくなった「課題」、ヘレンケラーの「The Story of my Life 」4章の
有名な「w-a-t-e-r」のシーンを朗読されました。
衝撃!
映画「奇跡の人」のワンシーンが脳内で再現されるような、映像が見えてきたんです。
すごい!!
今までは「きちんと」「間違えずに」読むことに集中しすぎて
チョッピ―(ぶちぶち切れてしまうような)読み方になっているか、
感情を上からかぶせるような表面的な声の出し方で「ちょっと大げさ」と思うような
読み方だったのが、今回は全く違いました。
というか、読み方なんて気にならないくらい、
それぐらい「内容」が伝わったんです。
ヘレンがものに名前があると気づいた瞬間の霧がさーっと晴れる様子、
その感動や喜びが英語で!当時のヘレンの様子が見えてくるという体験をして
あまりにも驚いた(というと失礼ですが)ので
「予習されたでしょ?」と聞いたら
「色々調べてみました。この本が書かれたのがヘレンが大学生のころで、
サリバン先生と出会ったのは6.7歳なので
ヘレンがその当時を思い出して読むようにしたんです。
書かれた情景やヘレンの気持ちを想像していてこういう読み方にたどり着きました」。
すごい!
相手に伝えるには「内容理解」「解釈」という要素がとてもとても大事なのに
多くはそこをあまり重視せず、
発音や発声、音のトーンや間という技術的なところ「だけ」捉える方がいるので
いつもワークショップでは
「●●はどうしてこういうことしたんでしょうか?」
「今、目の前には何が見えますか?」
「この主人公はいくつですか?どんな性格ですか?」
という国語の授業のような質問をよくします。
質問されると考えるので答えは出るのですが
その「内容」が声に反映されないので
書かれた文字以上の情報が伝わらない、のでした。
「届ける」には理解を表現技術を用いて音声化することが大事なので
両方(理解と技術)を磨くことが大切なんです。
だから作品理解とか背景調べとかそういった一見関係のないことをするだけで
自分の中で納得という「理解」が生まれて
声に説得力が生まれるのだと思います。
4回のレッスンで「成長」を目の当たりにして本当に感動しました。
聞いている人が「押しつけがましい」と思わない
ちょうどいいレベルの「感動」が声にのってきて
聞いている側も一緒にヘレンの喜びを共有できる・・・。嬉しかったです。
一方、午後の部では英国から参加された通訳の方が2回目だったのですが
、こちらも大きな感動を頂きました。
ご親戚の方に本を読んで差し上げたい。という目的で参加されて2度目。
英語力や発音は全く問題なく、落ち着いていてスピードも特に注意することはないのですが、
声の調子がずっと同じで「飽きる」という課題がありました。
ヘレンの感動が全く伝わらないのです。
報告書を淡々と読み上げるような朗読だったので、
ここでも「考えて、想像して、可視化してみて」という指導を中心に行いました。
表情と声は繋がっているところがあるので、
ヘレンが喜んでいる箇所では笑顔でもしくは笑顔のヘレンを想像して読んで下さい!
感動をヘレンと共有してみて、
とか、JOY,LIGHT,といったポジティブな単語は少し音を明るく(高く)して読むといい
などポイントポイントで指導していって
4度目-最後の「発表会」では
第一声で聞いていた私がビク!としました。
午前の部のはじけるような喜びとは全然違うのですが、
大人のヘレンが人生を振り返って
「しみじみ」あの運命的なシーンを回想している
映画のナレーションのような朗読が聞こえてきたのです。
受講生ご自身がとても落ち着いた品のある女性でしたので
派手な喜び方を表現するのは難しいし、
おそらく声に合わないのかもしれないと思っていたのですが、
それが「彼女らしい」subtleなんだけれど
とても嬉しかった「思い出」が溢れてきて、そ
れがとても心地よい魅力的なゆったりしたお声で、しびれました。
「朗読がなんだか楽しくて」
と終了後メールを頂いて、それかな?と思いました。
やはり好きになるって大事なんだなと思いました。
気持ちを込めるっていうのは表面的に感情を乗せるのではなくて
やはり内からにじみ出るようなものでなくてはならない。
機械的に技術的にきちんと読んだり発表するのでは「届かない」んだと思います。
そして機械的、技術的に高いものはロボットやAIに任せればいいのです。
人間よりずっと正確ですから。
人間にしかできない、そんな表現こそがコミュニケーション能力であって
それは人間同士にしか感知できないすばらしい能力なんだなぁと感じました。
時々ふと自分の活動に自信がなくなったり、
活動の意味がわからなくなったりするのですが、
午前の部の受講生に「すごい!ものすごく感動した」と伝えた時に
パソコンの向こう側から「イエーイ!」とガッツボーズした姿や
「しびれました」と伝えた午後の受講生の方の
静かな笑みとその後の「朗読が楽しくて」というメールに力を頂きました。
この他参加者全ての方のそれぞれの解釈、朗読、
何回か続けていく中での成長ぶりなどにも本当に支えて頂いています。
本当に本当にありがとうございます。
細々とですがこれからも続けていきます。
10月以降は朗読に興味をもって頂けるよう入門編もご用意しました。
東京近郊の方には久々の対面講座が
NHK文化センター青山教室で
6回の英語朗読講座が再開します。
HPに詳細がございますので
ご興味がありましたら、お時間がありましたら是非ご参加ください。
https://yukoaotani.jp/
私は朗読が大好きなので、皆様とご一緒できることが喜びです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
英語朗読ワークショップ、オンラインになってから早30回近く開催しており、
何名かの方は月1ペースで参加して頂いています。
朗読は(全ての芸事や習い事に共通するとは思いますが)1回、2回ではうまくなりません。
やはり、繰り返し練習して、自分なりに考えて、工夫して、フィードバックをもらうということが大切なんだと思います。
先日、ワークショップ1回、個人レッスン2回すでに受けた方が
再度ワークショップ(午前の部)に参加して下さり、
今回新しくなった「課題」、ヘレンケラーの「The Story of my Life 」4章の
有名な「w-a-t-e-r」のシーンを朗読されました。
衝撃!
映画「奇跡の人」のワンシーンが脳内で再現されるような、映像が見えてきたんです。
すごい!!
今までは「きちんと」「間違えずに」読むことに集中しすぎて
チョッピ―(ぶちぶち切れてしまうような)読み方になっているか、
感情を上からかぶせるような表面的な声の出し方で「ちょっと大げさ」と思うような
読み方だったのが、今回は全く違いました。
というか、読み方なんて気にならないくらい、
それぐらい「内容」が伝わったんです。
ヘレンがものに名前があると気づいた瞬間の霧がさーっと晴れる様子、
その感動や喜びが英語で!当時のヘレンの様子が見えてくるという体験をして
あまりにも驚いた(というと失礼ですが)ので
「予習されたでしょ?」と聞いたら
「色々調べてみました。この本が書かれたのがヘレンが大学生のころで、
サリバン先生と出会ったのは6.7歳なので
ヘレンがその当時を思い出して読むようにしたんです。
書かれた情景やヘレンの気持ちを想像していてこういう読み方にたどり着きました」。
すごい!
相手に伝えるには「内容理解」「解釈」という要素がとてもとても大事なのに
多くはそこをあまり重視せず、
発音や発声、音のトーンや間という技術的なところ「だけ」捉える方がいるので
いつもワークショップでは
「●●はどうしてこういうことしたんでしょうか?」
「今、目の前には何が見えますか?」
「この主人公はいくつですか?どんな性格ですか?」
という国語の授業のような質問をよくします。
質問されると考えるので答えは出るのですが
その「内容」が声に反映されないので
書かれた文字以上の情報が伝わらない、のでした。
「届ける」には理解を表現技術を用いて音声化することが大事なので
両方(理解と技術)を磨くことが大切なんです。
だから作品理解とか背景調べとかそういった一見関係のないことをするだけで
自分の中で納得という「理解」が生まれて
声に説得力が生まれるのだと思います。
4回のレッスンで「成長」を目の当たりにして本当に感動しました。
聞いている人が「押しつけがましい」と思わない
ちょうどいいレベルの「感動」が声にのってきて
聞いている側も一緒にヘレンの喜びを共有できる・・・。嬉しかったです。
一方、午後の部では英国から参加された通訳の方が2回目だったのですが
、こちらも大きな感動を頂きました。
ご親戚の方に本を読んで差し上げたい。という目的で参加されて2度目。
英語力や発音は全く問題なく、落ち着いていてスピードも特に注意することはないのですが、
声の調子がずっと同じで「飽きる」という課題がありました。
ヘレンの感動が全く伝わらないのです。
報告書を淡々と読み上げるような朗読だったので、
ここでも「考えて、想像して、可視化してみて」という指導を中心に行いました。
表情と声は繋がっているところがあるので、
ヘレンが喜んでいる箇所では笑顔でもしくは笑顔のヘレンを想像して読んで下さい!
感動をヘレンと共有してみて、
とか、JOY,LIGHT,といったポジティブな単語は少し音を明るく(高く)して読むといい
などポイントポイントで指導していって
4度目-最後の「発表会」では
第一声で聞いていた私がビク!としました。
午前の部のはじけるような喜びとは全然違うのですが、
大人のヘレンが人生を振り返って
「しみじみ」あの運命的なシーンを回想している
映画のナレーションのような朗読が聞こえてきたのです。
受講生ご自身がとても落ち着いた品のある女性でしたので
派手な喜び方を表現するのは難しいし、
おそらく声に合わないのかもしれないと思っていたのですが、
それが「彼女らしい」subtleなんだけれど
とても嬉しかった「思い出」が溢れてきて、そ
れがとても心地よい魅力的なゆったりしたお声で、しびれました。
「朗読がなんだか楽しくて」
と終了後メールを頂いて、それかな?と思いました。
やはり好きになるって大事なんだなと思いました。
気持ちを込めるっていうのは表面的に感情を乗せるのではなくて
やはり内からにじみ出るようなものでなくてはならない。
機械的に技術的にきちんと読んだり発表するのでは「届かない」んだと思います。
そして機械的、技術的に高いものはロボットやAIに任せればいいのです。
人間よりずっと正確ですから。
人間にしかできない、そんな表現こそがコミュニケーション能力であって
それは人間同士にしか感知できないすばらしい能力なんだなぁと感じました。
時々ふと自分の活動に自信がなくなったり、
活動の意味がわからなくなったりするのですが、
午前の部の受講生に「すごい!ものすごく感動した」と伝えた時に
パソコンの向こう側から「イエーイ!」とガッツボーズした姿や
「しびれました」と伝えた午後の受講生の方の
静かな笑みとその後の「朗読が楽しくて」というメールに力を頂きました。
この他参加者全ての方のそれぞれの解釈、朗読、
何回か続けていく中での成長ぶりなどにも本当に支えて頂いています。
本当に本当にありがとうございます。
細々とですがこれからも続けていきます。
10月以降は朗読に興味をもって頂けるよう入門編もご用意しました。
東京近郊の方には久々の対面講座が
NHK文化センター青山教室で
6回の英語朗読講座が再開します。
HPに詳細がございますので
ご興味がありましたら、お時間がありましたら是非ご参加ください。
https://yukoaotani.jp/
私は朗読が大好きなので、皆様とご一緒できることが喜びです。
これからもどうぞよろしくお願いします。
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