The Ugly Duckling 紙上ワークショップ!
- 2020/02/20
- 19:30

久しぶりに朗読しました。
https://soundcloud.com/user-882463989/the-ugly-duckling-by-yuko-aotani-mp3
こちら以前WSで選んだ方がいて、朗読向きのいい作品だなと思ったので
全文読んでみたというわけです。
しかしね、アンデルセンさん、意地悪!
いじめひどい!
お母さんまで「生まなきゃよかった」なんて・・・
いくら最後に白鳥になるからってさ、
そんな暗い子供時代送ってたら傷残るだろうに・・・。
余計なお世話ですが、
昔話というかおとぎ話ってほんと残酷なもの多いですよね。
世の不条理を子供に教えるという狙いがあるんでしょうが・・・
ちょっと切ないお話でした。
が、
朗読には向いている!
というのはとても描写がしっかりしているからなんです。
文章を可視化して読んで!
といつも言っているのですが、それをこの話はとてもしやすい。
WSではだいたい1分から1分半程度の作品を選んで(抜粋・編集含)
読んでー指導ー練習ー発表ー指導ー練習ー発表を繰り返すんです。
なので今日はここでWSのさわりを・・・。
まず最初にするのは・・・
話を全部読む!
内容を知ることが何よりも大事なもので、声出したい!
朗読したい!という気持ちが抑えきれないかもしれないけれど・・・
全部読んでください。
俯瞰で話をとらえられると
声のトーン(どんな声の高さ、調子、雰囲気がいいか)が決まるからなのね。
あと、登場人物(この場合動物たちですが)の性格、特徴をとらえて
その声を作ることができるからです。
お話の舞台の空気感とか
全体のイメージとか
自分の感想・・・・
そういう「理解」をきちんと落とし込むことがまず大事なんです。
ということで長いけど
http://www.gutenberg.org/files/32571/32571-h/32571-h.htm?fbclid=IwAR2rmhv-UN2b937EBLna1e6j1HjOmzg29w3_hDABCR_D7XmVRK3q54ZNIgY#Page_30
読んでください。
みにくいアヒルの子ってこんな長いのー!っていう長さでしょ。
私も驚いた。
(後半いらんやろ?という部分いなめないけど・・・・)
まあとにかく読む。
どうでした?
どんな印象?
面白かった?
「えーつまんない」と思った方・・・・
終了です!
つまんない話を朗読しても
聞いてる人に迷惑。
聞いてほしいよー
こんな話(かわいそうだけど・・・)なのよー!っていう
「聞き手」を意識できない人は朗読できません。
ていうか朗読したくないでしょ?
ネイティブみたいに読みたい!という方が前WSにいらしたんだけど
私からするとスタンスが違う!
朗読って「聞いてもらう」ものだから。
読みたいだけだったら一人で音読してればいいのです。
朗読するっていうのは「聞き手を意識」するんです。
オーディエンスに楽しんでもらうことが大事なのよー!
ということで、
悲しい切ないなんだよ、意地悪だなみんな!と思いつつも
このお話を人に聞いて欲しいと思った皆様、続けましょう。
お話の雰囲気、イメージ、あひるのこのキャラ、お母さんのキャラ
意地悪あひるや猫や鶏や七面鳥のキャラ・・・
イメージできましたか???
どんな景色か映像が見えてきましたか?
じゃあいよいよ読んでいくよ。
The Ugly Duckling
It was so beautiful in the country. It was the summer time.
The wheat fields were golden, the oats were green,
and the hay stood in great stacks in the green meadows.
まずここ。
状況を説明しているってことに気付いたかな?
ストーリーの舞台を描いているんですよ。
絵の下地みたいな、感じかな。
田舎です、夏です。小麦畑は黄金に輝いてる。
オーツ麦(えんばくっていう種類らしい)は緑で
緑の草原に干し草が大きな束になって立ってる。
そんな風景です。
頭に描いてください。空は何色?
風吹いてる?草原の真ン中に立ってみて。
気持ちいいね!
そんな景色を人に伝える。そこから入ります。
聞いている人も一緒に心地いい景色につつまれて
風を感じることができる。
お話の冒頭だからちょっとゆっくり目で。
聞いている人はあなたの声にも慣れないといけないからね。
発声発音にも慣れないといけない。
情報が一度にたくさん入ってくるのが物語の冒頭なので
決して急いではいけません。
一文ずつ丁寧に読みましょう。
It was so beautiful in the country.
最初から so beautifulって決めつけてるので
もう自分で「ああきれい!」って思いながら読むと聞きても
「ああきれいなところなんだ」と納得します。
beautifulってキラキラ言葉なんで
地味な暗い声を出さないこと。
きれいっていう日本語の音も「きれい」じゃないですか?
音と言葉の意味を合致させるってとても大事で
逆に合致しないと聞き手は一気に混乱してしまうんです。
beautifulはbeautifulな音を出して、自分の頭の中に美しい風景を描いで
声に出す!可視化ってそういうことです。
It was the summer time.
夏なんだよね。秋じゃない、春じゃない、冬じゃない。
夏であることが大事。だからsummerを少し丁寧に読む。
気持ちゆっくり、ほんのちょっとだけwasの後間をつけてもいい。
聞いている人が夏の乾いた風を感じるように、
キラキラした太陽の熱を感じるように「夏」summerを音で描く。
The wheat fields were golden, the oats were green,
and the hay stood in great stacks in the green meadows.
広い絵に少しディテールが見えてきた。
色がついてきたね。
田舎っていってたけどここは畑だ。原っぱだ。
黄金の小麦が稲穂をつけて揺れているね。
まだ色づく前のオーツは青々としてる。
ちょっと見渡すと緑の原っぱに干し草の(多分明るい茶色の)束が
あちこちに立っているのも見えてくる。
そんなところが物語の舞台だ。
気持ちいいね。
気持ちよさを聞き手に届けてほしい。
The stork paraded about among them on his long red legs,
chattering away in Egyptian, the language he had learned from his lady mother.
干し草の束の周りにはコウノトリがいるよ。
The stork (突然出てくる登場人物なので聞き手に伝わるようにしっかり)
paraded about among them (ここはひとまとめに読みましょう。切ってしまうと
干し草の束の間をぬってパレードしているようにかっこよく長い足を持ち上げて歩いている様が
見えてこない)
on his long red legs...
長い足は赤いんだね。
長い=longという音もきちんと「長く」読んでね。
longがshortに聞こえるとコウノトリの足がちんちくりんになっちゃう。
chattering away in Egyptian,
the language he had learned from his lady mother.
音が聞こえてくる。
エジプト語!?
素敵なお母さんから教えてもらったエキゾチックな異国の言葉。
おしゃべりが音楽みたいだ。
paradeとかlady motherという単語でなんとなく
storkが品のいい兵隊さんみたいなイメージを私はもったよ。
頭をりんとあげていてかっこよく歩いている。
でもお茶目なのねchattering awayっていうのがぺちゃくちゃおしゃべり
しているイメージだからつんつんしているというよりは
明るい感じ。
The stork/ paraded about among them/ on his long red legs,
chattering away in Egyptian,/ the language he had learned/ from his lady mother.
あえて切るならこんな感じ。
でもぶつぶつ切るとお話している という感じにならないので
小さく息継ぎする程度で読むといいと思います。
こうして景色に色がついて音が聞こえてきますね。
わくわくしてくる。
明るい声で読んでいきましょう。
さらにカメラをぐーっとひいていくと
All around the meadows and cornfields grew thick woods,
and in the midst of the forest was a deep lake.
さっき見えてた畑の周りに森が見えてくる。
thick woods. 結構大きな森だ。
暗いのかもしれない。大きな木がたくさん生えているような気がする。
All aorund the meadows and cornfields ここのぽいんとは
meadows and cornfieldsをまとめて読むこと。
原っぱとと畑のまわりを取り囲むように深い森があったわけだから
原っぱと畑を分けて読んだらダメなんだよね。
特にたぶん境界線もなくてただっぴろいところに原っぱと畑がある景色だから。
単語が二つあってandでつないでいいるからと言っていつも
別々に読むというルールはない。
まとめて読まないと景色が見えてこないことがある。
だから「内容をきちんと理解」してっていつも言っているんだな。
ここのポイントは森がどこにあるかを聞き手に伝えなくちゃいけないわけだから
ポイントはそっち。
原っぱと畑の話はもう冒頭で散々しているしね。
頭に入ってるはずなんですよ。
というわけで森に入っていく、
ひいたカメラが今度は手持ちになって潜入していくイメージ。
一緒に森の中に入っていくよ。
and in the midst of the forest was a deep lake.
森の中に深い湖があった!
(あひるようやくここにいるのかー?と思いたくなる・・・)
ここのポイントは文体がwas a deep lakeというところ。
forestの後ちょっと間をおいて深い=ここも音で深さを出したいから
deepをちょっと伸ばして声にも深さをつけて(軽く読まない)
丁寧にdeep lakeと読んであげると・・・
おや?何か特別な場所か?という「注目」を聞き手に促すんですね。
まあそんなにまだ特別じゃないけど
とにかくきれいな素敵なところだっていうのが強調される。
Yes, it was beautiful, it was delightful in the country.
beautifulとかdelightfulっていうキラキラワードを「感じて」
声にだしてね。
そうすることでset the scnene=お話の舞台がだんだん具体的に
見えてくるんです。
まだ全然あひるが出てこないんだけど(笑)私は実はこんな風に
細かく細かく文章を分解して映像化させて音とイメージを合致させて
読んでいます。
ワークショップでは皆さんにこんなことをお伝えしながら
もしくは質問しながら読んでもらって指導しています。
この調子で紙上解説していると永遠に終わらないので今日はひとまずこんなところで。
皆さんも是非声に出して読んでみてね!
ワークショップは3月8日に東京でやるよ。
興味ある方はぜひどうぞ
3/8
東京(渋谷)朗読ワークショップ
❶午前の部
https://kokucheese.com/s/event/index/588888/
❷午後の部
https://kokucheese.com/s/event/index/588890/
また次回続き・・・やるかな・・・?!
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